久しぶりにサマンサに会いに日本平動物園へ行って来ました。会いに行っていない間に、以前はお隣の部屋で暮らしていたオスのジョジョが、長期の入院生活の後に亡くなり、更に同居していた高齢のマロンちゃんが「(以前から悪い)足を(さらに)やっちゃった」とのことで、こちらも入院生活に入り(木に上れない状態だそう)、サマンサは独りぼっちでこの獣舎(↓)で暮らしていました。
(↓)京都市動物園出身のサマンサ。ベンケイ&オネさんペアの次女で、ディアちゃんたちのお姉ちゃん。今年の1月25日で5歳になりました。
(↓)この掲示が貼られたままでしたが、先述の通りマロンちゃんはここには居ない為、独りぼっち。
『霊長類最大の群をつくる』と云われているマンドリルなのに、京都で両親や姉や妹弟たちと一緒に暮らしていたサマンサなのに、こんな場所で独りぼっちで可哀相... と、私は思うのですが、どうやらそのようなバックグラウンドを知らないお客さんたちも、この状況を見てネガティブな印象を持つ人は少なくない様です。
周りから聞こえてきたネガティブな声をメモしておいたのでいくつか書き出しておきます(もちろんネガティブな反応を示さない人も多いですし、パッと見て数秒で去って行く人も多かったです)。ちなみにニホンザル(3頭暮らし)と隣り合っているので、そちらを見ての反応も入っていると思います。
・「なんか狭い檻で可哀相だね。」
・「1頭しかいないんだね。寂しそう。」
・「可哀相っちゃ可哀相だよね、こんな狭いところに入れられて。」
・「めっちゃ可哀相なんだけど~。それこそサル山とかやってあげたらいいのに。」
などでした。この様な声が有ったことは、マンドリルの種別調整者さんにもお伝えしました(単純に「批判」と捉えるのではなく、動物の立場になって考えたり、私の様なファンの気持ちを理解して下さる方であることを分かっているからこそお伝えしました)。
一般来園者の皆さんの多くは、ネガティブな感想を持ってもわざわざ動物園に伝えることまではしないだろうし。。。と云うことは、関係者の皆さんが来園者の本音を聞く機会はなかなか無いのではないかと思います。意見してくる一部の熱心なファンを疎ましい存在だと感じることもあるかもしれませんが、ある意味改善につながるヒントをくれる存在でもあるのではないかと私は思っています。
せっかく日々手をかけて飼育しているのに、多くの来園者にネガティブな印象を与える様な展示しか出来ないのなら、飼育種数を減らすなどして、残る種にもっと力を注ぐのもひとつの方法ではないかと思っています。
(↓)亡くなったジョジョ♂が居た獣舎。こちらはサマンサが居る部屋よりは広めです。以前、「(ジョジョ亡き後)この部屋との境の扉を開放して、両方を行き来出来る様にしてもらっている」と、どなたかからお聞きしたのですが、現在は「(マロンちゃんが居なくなったことで)サマンサが不安定な状況で、慣れていない部屋に入れると収容時に帰って来ないので閉めている」とのことでした。今後落ち着いたら、また使わせてもらえるかも知れませんね。
ちなみに、聞こえてくる声には(控えめな外見のメスのサマンサが1頭だけなので)「マンドリルってもっと大きいと思ってた。」とか、「もっと派手だと思ってた。」というのも割と有ったのですが、どうせジョジョのお部屋を使っていないのなら、『準備中』の掲示の代わりに、「以前飼育していたオス」として、ジョジョの写真などを掲示し、雌雄を見比べてもらえる工夫などされていれば良かったな、と思います。(飼育動物は「死んだらおしまい」ではないはず。飼育中も、亡き後も、私たちが学ばせてもらえることは沢山あるはず。)
さて。ぼっちのサマンサはと云うと、やはり寂しい様で、お隣のニホンザルの方に寄っていってることが多かったです(↓)
(↓)分かりますでしょうか?右の部屋のサマンサと、左の部屋のニホンザルさんが向かい合わせで座っています。(でも「仲良し」って感じではない様で、割と威嚇しあったりとかしてました^^;)
(↓)お昼寝に入るのかな・・・という頃の様子。どうしても寂し気に見えてしまう。。。
(↓)とは言ってもずっと暗い感じなわけでもなく(担当さんによると、マロンちゃんがいなくなってすぐの頃はもっと暗い感じだったそうです)、消防ホースを「まわし」みたいに巻き付ける遊びを何度もやっていました。(7回だったかな?目撃した回数。。。)
(↓)12:00前に、担当さんがお昼ごはん(おやつ?)を持って来てくれました。写真の物全てがサマンサのごはんではなく、中型サル舎のみんなでワケっこです。バナナの皮はサマンサに。繊維質補給だそうです。その他プルーンやドライアプリコットなどをもらっていました。(最後に貼る動画にもこのシーンが映っています。)
(↓)美形なサマンサ。
(↓)金網なめてました^^;
(↓)夕方近く、収容の気配を感じてシュート前で待機するサマンサ。(はやくから待機してた割には、シュートが開いてもなかなか帰って来なかったよ...)
(↓)日中の日差しでは、金網の反射が強い為かまともにお顔が撮れなかったのですが、収容近くなってやっとちゃんとお顔が分かる程度に撮れる様になりました。
(↓)せっかくの美猿さんなのに、写真や動画に残すのが難しくて残念。。。(普通に見るのもやはり見やすくはないので、ちらっとだけ見て立ち去る人が多いのも残念。)
(↓)サマンサが居る中型サル舎。右手の黒い金網部分が外の展示場。一番手前はニホンザルで、その隣にサマンサがいます。
(↓)上の写真の左手、寝室側へと続く道。ここを入っていくと。。。
(↓)ずらっと並んだ寝室を見ることが出来る通路になっていて、収容後に夕ごはんを食べている様子を見ることが出来ます。
(↓)サマンサのお部屋。102号室。
(↓)サマンサの夕ごはん。
(↓)シュートが開けられてもなかなか帰ってこなかったサマンサ。ビデオをONの状態で構えてましたが、手が疲れてきたので一旦OFFにした瞬間に猛ダッシュで帰って来ました。というワケで、最後に貼る動画には、帰ってくる瞬間はありません・・・^^;
お食事中。
そうそう。担当さんによると、代番さんと一緒に見てると代番さんに威嚇するそうです。どうやら順位を決めてるんじゃないかと。
これ思い当たる節があって、例えばサマンサのお姉ちゃんのマンゴーちゃん(のいち動物公園)の場合、私が一人で観ている間は時々チラ見する程度だったのに、担当さんと話しながら見てると、私に威嚇してきたのです。で、担当さんによると、担当さんより小さな人と話しているとそんな感じで威嚇してくるけど、担当さんより大きな人と話しているとしないそうで。
あと、サマンサ&マンゴーちゃんの妹である京都のディアちゃんも、私が女性と話していると、その方々に対して威嚇したのに、男性と話していると、「お尻あいさつ」をしに来たことがあって、今(それらを総合して)思えば、自分に近しい人間が誰かと親し気にしていると、その相手が自分より上と見るか下と見るか判断、つまり順位を決めてるんじゃないかな?と。。。
「そういえばあの時、あの子も・・・」と思い当たることが他にも出てきますが、長くなるのでこの辺で。。。
(↓)担当さんが、「(サマンサが、独りになって)寂しそうにしてるんでまた会いに来てあげて下さい」とおっしゃって下さり、「はーい、また来ます。」とか言ってサヨナラしましたが、その後コロナの影響で全国の動物園が休園という大ごとになってしまいましたね。。。
サマンサ、マンドリルのお友達と過ごせる様になるといいねぇ。(動物病院にいるマロンちゃんも、独りになってシュンとしてるとのことでした。やっぱり「群で生きる動物」ですね。。。)
では最後に動画を2本貼っておきます。お外での様子と、お部屋に帰っての夕ごはんの様子です。
日本平動物園のマンドリル(サマンサ)2020-02-23【その①】
日本平動物園のマンドリル(サマンサ)2020-02-23【その②】夕ごはん