この日の収容はイレギュラーなものでした。訳あって、母・オネさんだけが隔離される必要があったのです。（＊もちろん後日また家族の元に戻されています。）
（↓）いつもと変わらぬ収容前の一家の様子。『収容→夕ごはん』の前には、みんなが扉近くでウロウロ。
しかし、いつもと違ってこの時点ではお部屋には夕ごはんは用意されていませんでした。
普段とは全く状況が違う為、マンドリルたちの行動も当然ながら違いました。そんなこんなで写真よりも動画メインで撮っていたので、詳細は動画にて（↓）
敏感なマンドリルたち、いつもなら扉が開くとすぐに入りますが、いつもと違う雰囲気を察し、入るのを躊躇っているところから動画は始まります。まず、ベンケイだけが入りましたが、この時点で14時20分頃でした。
京都市動物園のマンドリル一家 2020-08-30【その⑤】
オネさんだけを隔離、とは云っても「オネさんだけこっちのお部屋へ入って下さい。」とお願いして分けることが出来るわけではないので、（動画を）見ての通り、あの子が入ったと思ったけどまた出して、あっちのお部屋の扉を開けて・・・と結構ややこしい状態でした。
動画の8：00～サブ寝室に少量の食べ物が置かれているのが確認できます。オネさんとディアちゃんがサブに入りますが、8：25あたりでディアちゃんが脱出し、オネさんだけサブに隔離されます（この時14時30分過ぎでした）。その後の8：28あたりから、金網扉越しで飼育員さんに対してディアちゃんが跳び蹴りをして怒っていますが、「この人がお母さんを閉じ込めた！」と分かっているんだろうな（知能が高いな！）と思うと同時に、家族（群）の絆を感じでウルっときました(´；ω；`)
その後、寝室に入っていたディアちゃんとず～みん（イズミ）をまた外に出して（オネさん以外の4頭みんなが外にいる状態）、寝室に少量のエサが置かれました（↓）
先ほどの動画の続きの動画です（↓）（4頭がお外にいる状態から始まります。）
京都市動物園のマンドリル一家 2020-08-30【その⑥】
先述の通り、少量のエサが置かれた後、再び扉が開かれましたが騒いですぐには入りませんでした。2本目の動画の0：50あたりから、興奮状態のディアちゃんとず～みんが激しく争っています...。いつもはしない様な激しさです。
やはり、いつも一緒の家族（群れの仲間）と意味も分からず離されるというのはかなりのストレスになる様で、興奮も激しくこの様な争いが他個体間でも何度か起こりました。そしていつの間にか（日中は大丈夫だったのに）、ディアちゃんの頭にこんなおハゲが出来てしまいました( ﾉД`)（↓）おそらく混乱の中ひっつかまれたのだと思います。
・14時45分頃、出たり入ったりを繰り返してみんなが揃って入らないので、またまたみんな（4頭）が外にいる状態で扉が閉められました。そして一旦寝室をかるくお掃除されて・・・
というのも、動画を見て頂ければ気付かれると思いますが、みんなすごくウンチを出したからです。緩めのウンチや下痢の様なウンチも出ていました。マンドリルたちは、普段から怖い思いをした時（強い個体に急に威嚇された時）などにウンチが出ます（複数個体で何度も観ています）。今回もかなりの不安を感じていたんだろうと思います。（一方で、そんな状況下でも食べ物は食べられるのがスゴイなと思いました。）
・14時50分頃、サブ寝室（奥の部屋）に居たオネさんを手前の（いつもの）寝室へ。
・14時55分頃、サブ寝室の外とつながっている扉をオープン。こちらからはサブ寝室内が見えませんが、食べ物が置かれた様で（元々少量あった分は、おそらくオネさんがすでに食べただろうから追加されたと思われる）、外にいた4頭が取りに行っては外へ食べ物を持ち出していました。しばらくの間、オネさん以外の4頭は、そのままサブとグラウンドを出入り自由になっていました。
・16時30分頃、4頭が外に居る状態でサブ寝室の扉が閉められました。（締め出された状態）閉園時間が近づき私が去るまで、結局このままでした。
（↓）お転婆さんですが、まだまだお母さんに甘えているず～みんはショックだったと思います(´；ω；`)
（↓）お母さんだけ分けられた後、他の家族に付いて回るでもなく、少し離れた場所で力なく鳴くず～みん。観ていて切なかったです。
（↓）他のみんなが出入りしているサブ寝室の様子を気にする母・オネさん。
（↓）オネさんがいる寝室の様子を外からうかがう子どもたち。（上にいるのがず～みん、足を掛けて張り付いているのがツネちゃま。）
動物園で飼育されている動物にとっては管理上必要なことであっても、動物からすれば「知ったこっちゃない」わけで、普段それなりに平和な群暮らしをしていても、たまにはこんな目に遭うこともあるわけで・・・。「ごめんね」っていう気持ち。（だけではないけど。もっと色々思うことはあるけど言葉にまとめられず。）
